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2010年01月13日

こぶとりじいさん

むかしむかし、あるところに、ほっぺたに大きなこぶのあるおじいさんが住んでいました。
 おじいさんがまきを割る度に、ほっぺたのこぶが、ブルルン、ブルルン。
 それはそれは、とても邪魔なこぶでした。
 でもこのおじいさん、そんな事はちっとも気にしない、とてものんきなおじいさんです。
 同じ村にもう一人、ほっペたにこぶのあるおじいさんが住んでいました。
 こっちのおじいさんは、この邪魔なこぶが気になってか、いつもイライラ怒ってばかりです。

 ある日の事、のんきなおじいさんは、森の奥で木を切っていました。
 すると、いつの間にやら、ポツリ、ポツリと雨が降り出して、とうとう土砂降りになってしまいました。

「いかんいかん、このままでは風邪をひいてしまう」

 おじいさんは大きな木のうろに飛び込んで、雨宿りをしました。
 そのうちおじいさん、ウトウトと眠り込んでしまったのです。

 やがて雨が止んでも、明るい月が出ても、おじいさんはグーグー、グーグーと高いびき。
 いつの間にやら、真夜中になってしまいました。
 するとどこからか、賑やかなおはやしの音が聞こえてきたではありませんか。

「おや、どこからじゃろ?」

 目を覚ましたおじいさんは、その音のする方へ近づいて行って、

「うひゃーーー!」

と、びっくり。
 何と、この森の奥に住む鬼たちが、輪になって歌い踊っていたのです。
♪ピーヒャラ、ドンドン。
♪ピーヒャラ、ドンドン。
 赤い鬼、青い鬼、黒い鬼、大きい鬼、小さい鬼。
 みんな、飲んで歌っての大騒ぎです。
 最初は怖がっていたおじいさんも、そのうちに怖さを忘れて思わず踊り出してしまいました。
 それを見て、今度は鬼が驚きました。

「あんれ、これは面白い踊りじゃ」

 おじいさんの踊りがあまりにも上手で楽しいので、今度は鬼の方がおじいさんと一緒になって踊り始めました。
 そしてとうとう鬼のお頭が立ち上がって、おじいさんと手を取り合って踊りました。
 のんきなおじいさんと陽気な鬼たちは、時が経つのも忘れて踊り続けました。
 そのうちに、東の空が明るくなってきました。
 もう、夜明けです。

「コケコッコー」

「ややっ、一番鳥が鳴いたぞ」

 朝になると、鬼たちは自分の住みかに帰らなくてはなりません。

「おい、じいさんよ、今夜も踊りに来いよ。それまでこのこぶを預かっておくからな。今夜来たら、返してやるから。・・・えい!」

 鬼のお頭は、おじいさんのこぶをもぎ取ってしまいました。
 おじいさんは、思わずほっペたをなでました。

「おおっ、こぶがない」

 傷も痛みも残さずに、おじいさんのこぶはきれいに無くなっていたのです。

 それから村へ帰ったおじいさんは嬉しさのあまり、もう一人のこぶのおじいさんに夕べの事を話しました。

「何! 鬼が取ってくれただと」

 こっちのおじいさん、うらやましくてなりません。

「よし! それらなわしも、鬼にこでを取ってもらおう」

 そしてもう一人のおじいさんは、夜になると森の奥へ出かけて行きました。
 やがて、おはやしの音が聞こえてきました。

「あそこへ行けば、こぶを取ってもらえるのだな」

 おじいさんは、輪になって踊っている鬼たちの方へ歩いていきましたが、鬼の怖い顔を見た途端、足が震えて歩けなくなりました。

「こっ、怖いなー」

 でも、鬼の所へ出て行かないと、こぶは取ってもらえません。
 おじいさんは、思い切って鬼の前に飛び出しました。

「よっ、待ってました!」

「じいさん、今夜も楽しい踊りを頼むぞ!」

 鬼たちは、大喜びです。
 でも、鬼が怖くてブルブル震えているおじいさんに、楽しい踊りが踊れるはずはありません。

「何だ、あの踊りは?!」

  とても下手な踊りに、鬼のお頭はだんだん機嫌が悪くなって来ました。
 そして怒った鬼のお頭は、、

「ええい、下手くそ! こんな物は返してやる。二度と来るな!」

 ペタン!
 こうしてこのおじいさんは、ほっぺたにもう一つのこぶを付けられてしまったのです。

おしまい
posted by kanpaku at 06:48| 日本昔話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月12日

ガリバーの冒険

むかしむかし、あるところに、ガリバーという若者がいました。
 ガリバーは海が好きで、船に乗りこんでは、あちらこちらと旅を続けています。
 ところがあるとき、はげしいあらしにまきこまれて、船はしずんでしまいました。
 さて、どれくらいたったのでしょう。
 海に投げ出されたガリバーが、ふと気がつくと、からだをなわでしばられて地面にねかされていました。
 あたりを見回すと、なんと、かぞえきれないほどの小人たちが集まっているのです。

「なんと、知らないうちに、小人の国へ流れついたというわけか」

 小人たちはガリバーをろう屋へ運ぶと、逃げ出せないよう、くさりでグルグルまきにしばりあげてしまいました。
 それから何日かたったある日、小人の王さまが、ガリバーを見にやってきました。

「王さま!」

 ガリバーは、王さまにいいました。

「あばれたりはしませんから、どうか、くさりをはずしてください」

「・・・ふむ。体は大きいが、おまえは悪者(わるもの)ではなさそうだ。のぞみをかなえてやるとしょう」

「ありがとうございます」

 よろこんだガリバーは、町の見物(けんぶつ)に出かけました。
 小人の町の建物(たてもの)は、とても小さいものばかりで、ガリバーは建物や人をふみつぶさないよう、下ばかり向いています。
 さて、そんなある晩、お城で火事がおこりました。

「これは大変。・・・そうだ」

 ふと思いついたガリバーは、じぶんのボウシで池の水をすくうと、お城の上へバシャンとかけました。

「すごい、あっというまに、火を消してしまったぞ」

 ガリバーの人気は、ますます高まるばかりです。
 そこへ、知らせがとどきました。
 海の向こうの小人たちが、こちらの国へせめこんでくるというのです。
 ガリバーが持っていた望遠鏡(ぼうえんきょう)でのぞいてみると、海の上には、敵の国の小人の乗った船がギッシリです。

「よし、わたしにまかせてください」

 ガリバーは、つり針のようなものをたくさん作ると、それを持って海ヘ入っていきました。

「わあ、大男だあ!」

 ビックリした敵の国の小人たちは、ビュンビュンと矢を飛ばしてきますが、

「なんのこれしき。さあ、つかまえてやるぞ」

 ガリバーはつり針を船の一つ一つに引っかけると、全部まとめて、浜辺へ引っぱりあげてしまいました。
 それを見た敵の国の王さまは、

「まいりました。二度とせめこんだりはしませんから、許してください」

と、あやまってきたのです。
 小人たちはよろこんで、ガリバーをほめたたえました。

「ばんざい、ばんざい。ガリバー、ばんざい」

ところがまた、こまったことがおこりました。
 ある日、ガリバーと仲のよい小人たちが、ガリバーのところへ走ってきたのです。

「大変です。王さまと大臣(だいじん)が、ガリバーさんを殺す相談(そうだん)をしています。このままだと、ガリバーさんが王さまになるかもしれないからって」

「それはたいへん。でも、どうすればいいのだろう?」

「だいじょうぶです。いっしょに浜まで来てください」

 見ると浜辺の岩のかげに、一そうの大きなボートがかくしてありました。

「これに乗って、あなたの国へお帰りなさい。無事に帰れるよう、みんなでおいのりしていますから」

「ありがとう。みんなのことは忘れないよ」

 こうしてガリバーは、無事にふるさとの家へ戻ることができたのです。

おしまい
posted by kanpaku at 11:24| 海外のお話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月23日

ジャックと豆の木

むかしむかし、あるところに、ジャックという男の子が、お母さんと一頭のウシを飼(か)ってくらしていました。
 ジャックは毎朝、ウシのミルクをしぼると町へ売りに行っては、そのお金で暮らしを助けていました。
 けれど、そのウシも年を取ったので、とうとうミルクを出さなくなってしまいました。

「しかたないわね。このウシを売って、お金にかえましょう」

 お母さんにたのまれたジャックは、町までウシを引いていくことにしました。
 すると途中で、一人のおじさんがジャックに声をかけてきました。

「ぼうや、そのウシとこのマメをとりかえっこしないかい? これはね、魔法のマメなんだよ」

「魔法のマメだって! すごいや。うん、とりかえてもいいよ」

 ジャックはマメを受け取ると、よろこんで家に戻りました。
 その話しをきいたお母さんは、ジャックをしかりました。

「まったく、こんなマメつぶとウシを取り替えてくるなんて、あんたはどうかしてるよ」

「でも、魔法のまめなんだよ」

「魔法だなんて、うそに決まっているじゃないの!」

 お母さんはマメを取りあげると、ポイッと、まどの外に捨ててしまいました。
 ところが次の朝、ジャックが目を覚ましてみると、お母さんの捨てたマメが、てっぺんが見えないほどの大きな木になっていたのです。

「ほら、やっぱり魔法のマメだったんだ。・・・よし、上へのぼってみよう」

 ジャックは、マメの木をドンドンのぼりました。
 くもをこえても、マメの木はまだまだつづきます。
 そしてとうとう、ジャックはてっぺんに着きました。
 そこには、大きなお城がありました。
 ジャックがそのお城をたずねてみますと、中から、おかみさんが出てきていいました。

「まあ、あなた、どうやってこんなところまできたの? ここはおそろしい人食い大男の家よ。はやくお家に帰りなさい」

 その時、大男の足音が聞こえてきました。

「しかたがないわ、こっちにいらっしゃい」

 おかみさんは、ジャックを台所のかまどにかくしてくれました。
 そこに、大男が帰ってきました。
 ものすごい大男で、手には三頭のウシをぶら下げています。

「クンクン、おや? 人間のにおいだ。人間の子どものにおいがするぞ」

「あら、そんなことありませんよ。人間の子どもは、おととい食べたばっかりではありませんか」

 おかみさんに言われて、大男はとなりのへやに行きました。
 大男は金貨の入った袋を二つ取り出すと、中の金貨を数え始めましたが、そのうちにねむってしまいました。

「あの金貨があれば、お母さんがよろこぶぞ!」

 ジャックはかまどを出ると、大男の金貨の袋を一つかついで、いそいで家に帰りました。
 金貨の袋を見て、お母さんは大よろこびです。
 しばらくたって、ジャックはまたマメの木をのぼって、大男の家にやってきました。
 ジャックがかまどに隠れていますと、大男はおかみさんに言いました。

「金の卵を産むメンドリをつれてこい」

 おかみさんがメンドリを連れてくると、大男はテーブルの上で金の卵をうませました。
 それをみると、大男はまたねむってしまいました。

「いまだ!」

 ジャックはメンドリを抱えると、そのまま家に帰りました。
 金の卵を産むメンドリのおかげで、ジャックはたちまちお金持ちになりました。
 でも、ジャックはまだ、まんぞくしていません。
 ほかにも宝物があると思って、またまた大男の家にやってきました。
 ジャックがかまどに隠れていますと、大男は金のたてごとを持ってきました。
 そのたてごとは大男が命令すると、ひとりでに音楽をかなでます。
 大男はそのたてごとの音色を聞きながら、またねむってしまいました。

「よし、今度はあのたてごとだ!」

 ジャックはたてごとをつかむと、いちもくさんに逃げました。
 その時です。

「だんなさま、ドロボウですよ!」

 おどろいたことに、たてごとが大声でしゃべったのです。

「なに! 小僧、きさまだな。金貨とメンドリをぬすんだのは! そして今度は、大切なたてごとをぬすむというのか。ゆるさん、食ってやる!」

 大男はジャックを追いかけてきました。
 ジャックは大急ぎでマメの木をおりると、お母さんに言いました。

「はやく、はやく! オノを持ってきて!」

 ジャックはお母さんからオノを受け取ると、マメの木を切りたおしました。

「あーーーーっ!」

 マメの木からおりようとしていた大男は、高い空の上から落ちてしまい、そのままどこかへ消えてしまいました。
 それからジャックは、かわいいお嫁さんをもらって、お母さんと三人でいつまでも幸せにくらしました。

おしまい
posted by kanpaku at 17:47| 海外のお話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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